IOSの便利なコマンド【初歩の方は一読してスキルアップ】(Cisco IOS操作の基礎)

Cisco IOSは、設定したりを消したり、装置の確認したりするコマンドがたくさんあります。

そんなたくさんあるコマンドの中で、操作が楽になる機能やヘルプの機能があります。今回は、便利な機能やヘルプ機能について説明していきます。これらのコマンドを覚えると、IOSの操作スキルがグッと上がると思います。

また、CCNA ICND1を受けるあなたにとっては、この記事を読むことによって知識・記憶・イメージが強化されていくと思います。

実機にログインをしてコマンドを確認する

当サイトでは、インターネット環境があれば、Ciscoルータにログインできる環境を用意しています。実機にログインしてコマンドを叩きながら覚えた方がスキルアップすると思います。

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ヘルプ機能

IOSでは、コマンドが豊富にあるため、便利なヘルプ機能があります。

  • ?だけ実行
  • コマンドの後にスペースをして?
  • コマンドの途中で?

?だけ実行するとどうなるか

実行できるコマンド一覧が表示されます。

下の画像は、特権EXECモードで「?」だけ実行したものです。特権EXECモードとは、全ての情報を見ることができるモードです。

<1-99>、access-enableとアルファベット順に実行できるコマンドが出てきました。

コマンドの後にスペースをして?

そのコマンドの後に実行できるオプションコマンドが表示されます。

下の画像の例では、「show ?」としています。”show なになに“で実行できるコマンド一覧が表示されます。

コマンドのオプションを覚えていない時に便利な機能です。

コマンドの途中で?

その文字で始まるコマンドが一覧で表示されます。

下の画像の例では、「te?」としています。telnet、terminal、testが候補として表示されます。コマンド自体を忘れてしまった時に便利なコマンドです。

便利な機能【絶対覚えるべし】

ここではいくつか便利な機能を紹介します。これを覚えておくとIOS操作ががぜん楽になります。

タブ補完

コマンドの途中でキーボードの[tab]キーを押すと、補完してくれます。

show runのあとに[tab]キーを押せば、勝手にshow running-configと出てきます。わざわざshow running-configと全部打たなくても[tab]キーが補完してくれるので便利です。

ただし、

候補がたくさんある場合は、補完してくれません。show ruのあとに続くコマンドは、running-configとrudpv1の2つあります。その場合、どちらを補完していいのかわからないので、無視されます。下の絵の通り。

コマンドの省略形

一部、省略を許可してくれるコマンドがあります。

下記は、「show run」と入力しています。 これはshow running-config の省略形です。

コマンドヒストリ

過去にどんなコマンドを入力したのがわかるのがshow historyコマンドです。

どれくらい過去のコマンドを見られるか

show terminalコマンドでわかります。

私のルータの場合、20コマンドまでヒストリが表示されます。

表示する数を変更する

特権EXECモードterminal history size <0〜256>コマンドで変更します。

下の場合、過去200コマンドまで表示されます。

出力行数の変更 –More–対策

Ciscoの最初の設定(デフォルト)では、25行まで表示されます。それ以上の行数になると、–More–となります。例えば、出力結果が100行もあるコマンドを実行すると、25行目まで表示されてそれ以降は –More–となります。

–More– が表示されると、以下のキーを押してそれ以降を出力させます。

  • [space]キー:以降を1画面ずつ。デフォルトは25行づつ表示。
  • [Enter]キー:以降を1行ずつ表示

出力行数の確認方法

show terminal コマンド実行します。

一気に出力させたい場合

特権EXECモードterminal length 0 で実行します。そうすると、–More–で止まることなく、一気に出力されます。


例えば、showコマンドで1000行出力させたい場合でも簡単にできます。[space]キーや[Enter]キーで実行していたら大変ですからね。

検索機能

show コマンドで装置の状態を確認していく時、たくさんの出力結果が画面に表示されるコマンドがあります。

そうすると必要な情報を逃してしまうこともあります。特に設定内容の確認がこれに当てはまります。例えば、1000行もある設定内容の中から、どんなIPアドレスが設定されているか確認したいと思ったら、検索機能を活用すればすぐに見つけることができます。

必要なキーワードだけ出力させる:include

includeで指定したキーワードを含んだ行だけ出力します。

show *** コマンドの後に | (パイプ)  include <検索したい文字>

下の例では、「show running-config | include address」です。show running-configの設定内容の表示するコマンドです。設定内容の結果から”address”だけ出力させることができます。

邪魔な出力は除外:exclude

includeの反対派、excludeです。これは指定したキーワードが含んだ行を除外します。

show *** コマンドの後に | (パイプ)  exclude <検索したい文字>

具体的に例を見て見ます。設定にaddressの文字を除外します。

本来のinterfaceのコンフィグはこんな感じです。ip address *** のようにaddressが含まれています。

show running-config | exclude address を実行します。

addressの行が表示されなくなりました。

指定した文字から表示 begin

beginは、キーワードを含んだ行から出力が始まります。

エラーメッセージ

コマンドを実行したとき、コマンドが間違っているとエラーメッセージが表示されます。

メッセージの内容で、コマンドがどのように間違ったかわかります。

エラーメッセージは、大きく分けて3つあります。

コマンド間違い:Invalid input detected at ‘^’ marker. 

これは、^のところがコマンドが間違っているということです。

下の絵の例ですと、110の指定が間違っているということです。インタフェースの設定を見ようとしているコマンドですが、fastethernet 110 という番号は存在しないため、ルータに怒られています。

コマンドが足りない:Incomplete command.

コマンドが足りないエラーです。英語の意味のままです。show ip ではコマンドが足りないのでさらにコマンドを入れる必要があるということです。

コマンドを認識できない:Ambiguous command.

コマンドが特定できないということです。cというコマンドはないからルータに激怒されています。

まとめ

結構ボリュームが多くなってしまいましたね。

実機を使ってこれらのコマンドを入力してみれば、体で覚えることができるようになります。

もし、実機を触る機会がない場合は、記事にあるコマンドと出力結果を見て覚えてみてください。

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