イーサネット ⑤ルータ・スイッチ・ハブの違いを覚える

今回はネットワーク機器の種類をお伝えします。

ネットワーク機器は、ハブ、スイッチ、ルータなどあります。どういったときにルータを使うの?ということがよくわからないと思います。私もそうでした。

そんなあなたのために、記憶術を使ったりして覚えやすいようにしていきます。ここでの記憶術と言っているのは、イメージ図や語呂合わせなどを使います。少しでもあなたの記憶に残るように書いていきます。

ルータ・レイヤ3スイッチ、スイッチ、ハブはOSI参照モデルのどこに位置するか。

それぞれ下のようになります。

  • ネットワーク層(レイヤ3):ルータ・レイヤ3スイッチ
  • データリンク層(レイヤ2):ブリッジ・スイッチ
  • 物理層(レイヤ1):ハブ

OSI参照モデルは、通信に必要な機能を階層ごとに分けたモデルですよね。つまり処理できる機能が違うんです。順を追って見ていきます。

ネットワーク層は、IPを見て処理

ルータ・レイヤ3スイッチは、IPを見て転送します。このIPを見て転送することをルーティングといいます。レイヤ3スイッチとは、レイヤ3を処理できる機能を持ったスイッチです。つまりIPの処理をできるスイッチのことです。

データリンク層は、MACアドレスを見て処理

ブリッジやスイッチは、MACアドレスを見て転送します。

MACアドレスは、NICと呼ばれるネットワークインタフェースカードに書き込まれたアドレスですね。このことをスイッチングといいます。

物理層は、電気信号を処理

ハブは、電気信号を処理します。

具体的には、電気信号の増幅です。
電気信号の増幅は、距離が伸びるほど電気信号が弱くなるのを防ぎます。

まとめ

それぞれの層に属するネットワーク機器と機能を絵にまとめました。

ネットワーク層は、「IPを処理、ルータが属する」ということがわかると思います。これを理解することはネットワークの理解には欠かせません。

コリジョンドメインとブロードキャストドメイン

ネットワークには、コリジョンドメインとブロードキャストドメインという概念があります。細かく見て行きましょう。

コリジョンドメイン

コリジョンドメインは、電気信号の衝突範囲のことです。ハブだけのネットワークは、1つのコリジョンドメインです。同じコリジョンドメイン内では、コンピュータが通信するときに衝突が起きる範囲が大きくなります。衝突が起きるとネットワークが遅くなります。

コリジョンドメインを分ける:ブリッジ・スイッチ

ブリッジとスイッチは、コリジョンドメインを分けます。同じコリジョンドメインでは通信のパフォーマンスが大幅に劣化します。なので、ブリッジやスイッチを置いて、コリジョンドメインを分けます。

ブロードキャストドメイン

ブロードキャストドメインは、ブロードキャストが届く範囲のことをいいます。ブロードキャストは、全ノードに一斉に送られる通信です。例えば、コンピュータAがBと通信するときには、コンピュータBのMACアドレスが必要になります。このとき、コンピュータAは、コンピュータBのIPアドレスからMACアドレスを調べるためにARPプロトコルをブロードキャストします。このブロードキャストは、同じブロードキャストにいるコンピュータに届きます。

ブリッジ・スイッチのネットワークだけのネットワークは、同じブロードキャストドメインになります。

ここでの問題は、同じブロードキャストドメインにいるコンピュータの数が多くなると、それだけブロードキャストの数は増えるため、パフォーマンスの劣化が大きくなってしまいます。また、詳細はスパーニングツリーの項目でお伝えしますが、ループ問題というのがあります。このループが発生すると同じブロードキャストドメイン内に無限にパケットを出してしまします。これが起きるともう通信できない状態になってしまいます。

ですので、ブロードキャストドメインを大きくしてしまうと、2つ問題があります。ブロードキャストの数が増えてパフォーマンス劣化という点とループによる障害範囲の拡大してしまう点です。

それを回避するのは、次に出てくるブロードキャストを分けることです。

ブロードキャストドメインを分ける:ルータ・レイヤ3スイッチ

ブロードキャストドメインを分割できるのがネットワーク層を処理できるルータやレイヤ3スイッチです。これにより、1つのブロードキャストドメインによる問題がなくなるわけです。もっとも綺麗なネットワークです。

まとめ

今回は、ルータ・スイッチ・ハブの違いをお伝えしました。それぞれの装置がどの層にいるか、どういう処理をするか、必ず抑えておく必要があります。下のまとめは確実に試験に出ます。

  • ネットワーク層:ルータ・レイヤ3スイッチ
    • IPを見て処理をする
    • ブロードキャストドメインを分割する
  • データリンク層:ブリッジ・スイッチ
    • MACアドレスを見て処理をする
    • コリジョンドメインを分割する
  • 物理層:ハブ
    • 電気信号を増幅する
  • コリジョンドメインを大きくしてしまう問題点
    • 通信の衝突が発生する
  • ブロードキャストドメインを大きくしてしまう問題点
    • 通信品質の劣化
    • ループによる障害影響範囲の拡大

余談

試験合格のために書きましたが、ハブ、ブリッジについてコメントを。

最初にハブについて、現在、現場ではハブを使うってことはないと思います。

理由は、L2スイッチが安価になってきたからです。家庭用でも2,000円も出せば買うことができます。そもそも自宅でもハブなんてもう使わないです。

次にブリッジ、ですが、実は未だに見たことがありません。ネットワークエンジニア歴10年以上になりますが、見たことがないのです。基本的にL2スイッチしか使用することはありません。

以上、余談でした。

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