記憶術で覚えるTCP/IP②インターネット層のIP

今回はインターネット層のIPです。

試験に合格する上でTCP/IPで押さえておくべきキーワードを記憶術を使ったりして覚えやすいようにしていきます。ここでの記憶術と言っているのは、イメージ図や語呂合わせなどを使います。少しでもあなたが記憶に残るように書いていきます。

TCP/IPの項目でICND1の試験に合格する上で覚える必要がある項目を列挙します

覚える項目は以下の通りです。

 IPの特徴

いくつかあるIPの特徴を覚えておく必要があります。

コネクションレス型のプロトコル

IPアドレスは、ハガキのようなものです。ハガキを送ってミスった場合でも相手は気づかない。自分から相手に確認しないと届いたかどうかわからない。

いわゆるベストエフォート(最善の努力)。届いた保証はしなけど、最善の努力は尽くすよ、という感じです。

それがIPなんです。じゃあ信頼性ある通信するにはどうするの?

その答えは、今度お伝えするトランスポート層を利用すことです。TCPがそれに該当します。TCP/IPのTCPですね。

データ回復もない

送ったパケットが壊れてしまっても回復する機能はありません。RPGのゲームで例えたら戦士ですね。

階層型のアドレッシング

IPアドレスは、ネットワーク部とホスト部に分かれ、サブネットを利用してネットワークを拡張することだってできます。192.168.0.0/24利用する場合、ネットワークを2つに分けて、192.168.0.0/25と192.168.0.128/25に分ける。そしてそれぞれ違う用途に利用する、なんてことができます。まさに階層型で柔軟性も持っているので利用しやすいです。

まとめ

これで覚えちゃいましょう。

コネクションレス、ベストエフォートで人任せなIP。データ回復もないけど、階層型のアドレッシングが出来るんだぜ!

失礼しました。

IPヘッダ

次にIPヘッダを見てましょう。パケットのIPヘッダの部分を覗いてみるとたくさんの項目があります。

通信する相手に届けるための宛先IPアドレスが書いてあったり、自分のIPアドレスである送信元IPアドレスがあったりします。

ただそれ以外にも項目がたくさんあります。一覧にしてもただの羅列になってしまいますし、IPv6との比較にしてみます。IPv6は、IPv4の次世代のプロトコルです。IPv4だとグローバルIPアドレスが枯渇してしまうことがわかっていたので、もっとたくさん利用できるようにと開発されました。

ICND1を合格するためには結局IPv4とIPv6のヘッダの違いを覚える必要があるので、どんな違いがあるか覚えちゃいましょう。

グレーの部分は、IPv6ヘッダでなくなった項目です。

ピンクは、IPv6ヘッダで追加になった項目です。

IPv4  IPv6
バージョン  バージョン
ヘッダ長  なし
サービスタイプ(ToS) トラフィッククラス
なし フローラベル
トータル長 ペイロード長
パケット識別子  なし
フラグ なし
フラグメントオフセット なし
データ生存期間(TTL) ホップリミット
プロトコル ネクストヘッダ
ヘッダチェックサム  なし
送信元IPv4アドレス  送信元IPv6アドレス
宛先IPv4アドレス  宛先IPv6アドレス
拡張ヘッダ
オプション(可変長)  なし
パディング なし
データ  データ

IPv6ヘッダは、IPv4に比べてヘッダの項目がすっきりしていますよね。だいぶ簡素化されました。

ここで覚える内容としては、以下の通りです。

  • IPv6になってヘッダが簡素化されたこと
  • IPv4–>IPv6ヘッダになってからなくなった項目の記憶
      IPv4にはヘッダチェックサムがあるけど、IPv6にはない..など

    • ヘッダ長、パケット識別子、フラグ、フラグメントオフセット、ヘッダチェックサム、オプション、パディング
  • 送信元IPアドレスと宛先IPアドレスの働き
    • 宛先IPアドレス:相手のIPアドレスがヘッダに書き込まれる
    • 送信元IPアドレス:自分のIPアドレスががヘッダに書き込まれる
  • IPv6ヘッダで追加された項目
    • フローラベル、拡張ヘッダ
  • IPv4ヘッダとIPv6ヘッダで名前が違う項目。左がIPv4:右がIPv6
    • サービスタイプ(ToS):トラフィッククラス
    • データ生存期間(TTL):ホップリミット
    • プロトコル:ネクストヘッダ
    • トータル長:ペイロード長